『漂白剤』終演いたしました。
- 山下菜美子プロデュース namipro
- 2019年5月22日
- 読了時間: 3分
山下菜美子プロデュースvol.1『漂白剤』
無事に終了いたしました。
沢山お客様にご観劇いただき、本当に感謝しております。
なんの実績もない、旗揚げの企画に足をお運びいただき、誠にありがとうございました!
旗揚げ第一回目で、一人芝居。
今現在の演劇の流行とは真逆の事を、敢えてやろうと決めて挑みました。
作品に絶対的な自信があっても、それは当たり前の話であって、その先の、興行としてお客様をどのように呼び込むか、これからクリアしなければならない課題が山ほどみえました。
正直に申しますと、もっともっと沢山の方たちに観てほしかった。
世の演劇好きに届けたかった。
おこがましくも、ナミプロに関わってくださった人たちを、もっと世に出したかった。
出演者に集客を頼らざるを得ない状況が申し訳なくて、不甲斐なくて。
今の演劇界を取り巻く事情・環境が、プロデュース公演をやってみて前よりも少しだけ、わかりました。
演劇とはなんぞや。
堤さんは、
《娯楽。それ以上でもそれ以下でもない》
と言い切った。
(詳しくは、是非、ナミプロ本を読んでくださいませ!)
私はまだ、演劇とはなんぞやの答えを探している。
「面白い」
「つまらない」
「わかりやすい」
「難解」
「笑える」
「泣ける」
そんなもんじゃないんだ、演劇は。
言葉で説明出来ない感情があることは、間違いじゃない。
演劇の見方(観方)なんて、ひとつじゃない。
人間がいれば、その数だけ受け取り方・解釈は変わって当たり前。
演者が変われば、同じ戯曲でも違うものになるのと同じ。
芝居が始まる前の客席の空気。
始まってからの無音。
暗い中、演者の後ろ姿だけがぼんやり見える。
彼女は、ただ、そこに居て、【先生】に語りかける。
何も説明する必要はありません。
それは、そこに《ある》だけだから。
観てくださった方々の数だけ、解釈があって答えがある。
全部正解です。
答えは一つじゃない。
観てくださった方々それぞれの解釈が、演劇の可能性だと思って作りました。
人は鏡。
演劇作品もまた、鏡のようなものだと思うのです。
観た人そのものに全て還ってくる。
名前も無い彼女の40分。
彼女の叫びを、表情を、どうか心の片隅に少しだけでも居場所を作ってくださいましたら、この作品を上演した甲斐があったと思えます。
最高・最強のスタッフ陣でした。
一部の隙もない、完璧な座組み。
理想の舞台造りをとことん、ひとつも妥協せずに、思いの丈の全てを惜しむ事無く、存分にお力を発揮していただきました。
その中で、踠き、苦しみ、葛藤し、楽しむ事を忘れず、身を投じて、ひとりで舞台に立ってくださったキャストの皆様には、どんなお礼の言葉を並べても足りません。
こんな、負荷しか掛からない、大変な舞台に出てくれてありがとう。
私を信じてくれてありがとう。
ナミプロの旗揚げ公演はこれにて終了。
今は残務処理と次回公演の準備をしています。
次回公演に関しては、私の頭の中にあるだけで、まだ何も決まってないけど。
大人しく音響だけやってりゃいいのに、なんだか堪らなくなって立ち上がってしまって。
理想だけは一人前で。
でも、懲りずに続けます。
演劇の可能性を信じて。
私が面白いと思うことを、私が面白と思う人たちと、作る。
ナミプロの企画は誰が出ようが、どんな作品だろうが、確実に《面白い》と思っていただけるよう、全力で妥協せず、作ります。
思いの強さだけは、誰にも負けないつもりです。
また皆さまにナミプロの芝居を観ていただけますように。
引き続き、どうぞよろしくお願いいたします!
『漂白剤』にご来場いただき、誠にありがとうございました!

私にまでお花を頂きまして。
有り難いかぎりです。
他にもたくさんの差し入れやお心遣い、本当に感謝です。
このご恩をどうやってお返しするべきか思案中です。
本当に本当に、ありがとうございました!
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