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  • 執筆者の写真山下菜美子プロデュース namipro

『漂白剤』終演いたしました。

山下菜美子プロデュースvol.1『漂白剤』

無事に終了いたしました。


沢山お客様にご観劇いただき、本当に感謝しております。

なんの実績もない、旗揚げの企画に足をお運びいただき、誠にありがとうございました!


旗揚げ第一回目で、一人芝居。

今現在の演劇の流行とは真逆の事を、敢えてやろうと決めて挑みました。


作品に絶対的な自信があっても、それは当たり前の話であって、その先の、興行としてお客様をどのように呼び込むか、これからクリアしなければならない課題が山ほどみえました。


正直に申しますと、もっともっと沢山の方たちに観てほしかった。

世の演劇好きに届けたかった。

おこがましくも、ナミプロに関わってくださった人たちを、もっと世に出したかった。

出演者に集客を頼らざるを得ない状況が申し訳なくて、不甲斐なくて。


今の演劇界を取り巻く事情・環境が、プロデュース公演をやってみて前よりも少しだけ、わかりました。


演劇とはなんぞや。


堤さんは、

《娯楽。それ以上でもそれ以下でもない》

と言い切った。 

(詳しくは、是非、ナミプロ本を読んでくださいませ!)

私はまだ、演劇とはなんぞやの答えを探している。


「面白い」

「つまらない」

「わかりやすい」

「難解」

「笑える」

「泣ける」


そんなもんじゃないんだ、演劇は。


言葉で説明出来ない感情があることは、間違いじゃない。

演劇の見方(観方)なんて、ひとつじゃない。

人間がいれば、その数だけ受け取り方・解釈は変わって当たり前。

演者が変われば、同じ戯曲でも違うものになるのと同じ。


芝居が始まる前の客席の空気。

始まってからの無音。

暗い中、演者の後ろ姿だけがぼんやり見える。

彼女は、ただ、そこに居て、【先生】に語りかける。


何も説明する必要はありません。

それは、そこに《ある》だけだから。

観てくださった方々の数だけ、解釈があって答えがある。

全部正解です。

答えは一つじゃない。


観てくださった方々それぞれの解釈が、演劇の可能性だと思って作りました。

人は鏡。

演劇作品もまた、鏡のようなものだと思うのです。

観た人そのものに全て還ってくる。


名前も無い彼女の40分。

彼女の叫びを、表情を、どうか心の片隅に少しだけでも居場所を作ってくださいましたら、この作品を上演した甲斐があったと思えます。


最高・最強のスタッフ陣でした。

一部の隙もない、完璧な座組み。

理想の舞台造りをとことん、ひとつも妥協せずに、思いの丈の全てを惜しむ事無く、存分にお力を発揮していただきました。


その中で、踠き、苦しみ、葛藤し、楽しむ事を忘れず、身を投じて、ひとりで舞台に立ってくださったキャストの皆様には、どんなお礼の言葉を並べても足りません。

こんな、負荷しか掛からない、大変な舞台に出てくれてありがとう。

私を信じてくれてありがとう。


ナミプロの旗揚げ公演はこれにて終了。

今は残務処理と次回公演の準備をしています。

次回公演に関しては、私の頭の中にあるだけで、まだ何も決まってないけど。

大人しく音響だけやってりゃいいのに、なんだか堪らなくなって立ち上がってしまって。

理想だけは一人前で。


でも、懲りずに続けます。

演劇の可能性を信じて。


私が面白いと思うことを、私が面白と思う人たちと、作る。

ナミプロの企画は誰が出ようが、どんな作品だろうが、確実に《面白い》と思っていただけるよう、全力で妥協せず、作ります。

思いの強さだけは、誰にも負けないつもりです。


また皆さまにナミプロの芝居を観ていただけますように。

引き続き、どうぞよろしくお願いいたします!


『漂白剤』にご来場いただき、誠にありがとうございました!


私にまでお花を頂きまして。

有り難いかぎりです。

他にもたくさんの差し入れやお心遣い、本当に感謝です。

このご恩をどうやってお返しするべきか思案中です。

本当に本当に、ありがとうございました!



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