一周年。
- 山下菜美子プロデュース namipro
- 2020年5月14日
- 読了時間: 3分
わりと、記念日には拘らないタチでして。
過去を振り返るのがどうにも苦手で。
(もちろんやらかした事はちゃんと反省しますが。)
ただ、必要以上に引き摺らないよう努めたいのです。
後悔したとしても、その時選択した事、やってしまった事はもう取り消せないから。
だから過去の事にアレコレ気を揉む時間は極力少なくしたいのです。
今と未来の事だけ考えています。常日頃。
記念日的な事も振り返るのが苦手な性分としてはあまり気にしていなかったのですが。
が。
『漂白剤』から一年が経ちました。
まさかこんな未来が待ち受けていようとは。
舞台を上演できるって当たり前じゃなかったんだ、ってことに愕然としました。
いや違うな。
演劇を上演することで命の危険がある、ということに愕然としたんだ。
安全であることって、大前提ですから。
当たり前。
それがまさかこんな角度から揺るがされることになろうとは。
自粛生活。
公演はことごとく中止。
こんなにずっと演劇から離れている日々があるなんて。
なんらかの理由でこの業界を離れる事はあるかもしれない、などと少しの覚悟は持っているつもりでしたが、まさか世の中がこんな状況になるなんて。
でも、こんな時だから、立ち止まって考える時間をいただいたと思うのです。
たとえばこの一周年についても、日々の忙しさに埋もれてしまって、思いを馳せる事なんてできなかったかもしれないし。
有り難くも途方もない時間を手に入れた今、ものすごく沢山の時間をかけて、一年前を振り返ることができています。
とにかくがむしゃらで、演劇のことをわかっていたつもりで何にもわかってなかったことを痛感して、思うようにいかないことばかりで自分が不甲斐無くて悔しくて、どうしたら一人でも多くのお客様に観ていただけるのか、頭の中はそればかりでした。
作品には絶対の自信があっても、劇場にお客様を呼べなければ舞台演劇なんてただの自己満足ですから。
観ていただいて受け取っていただいて初めて成立するわけで。
ただ、今思い出しても、胸を張って面白いと思えるものを作れたと思うのです。
キャスト・スタッフ・関係者の皆様、そしてなによりお客様に支えられた公演でした。
願わくば、皆様にも少しだけでも『漂白剤』の事を思い出していただけたら、これ幸いでございます。
とは言え、過去は美化しがちなのでね。
やっぱり前を向いて、今とその先の未来の事を考えたい。
記憶に焼き付くような芝居を作りたい。
演劇じゃなきゃ、劇場空間でなきゃできないようなことがしたい。
演劇がやりてえなぁ。
自分にとっての舞台演劇とは何なのか、なんてことを改めて模索しております。
そして少しずつですが、来年に第二回目の公演を打つべく、準備中です。
あと、今年中にやりたかったちょっとした企画もぼちぼち始めていく予定です。
焦りは禁物ですが、少しでも早く、劇場で演劇が溢れる世の中になりますように。
今は耐える。
準備期間。
この非常事態の中、懸命に頑張ってくださっている全ての方々に感謝します。
そして皆さま、くれぐれもご自愛ください。
明るい未来を信じて。
前を向いていきましょう。

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