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  • 執筆者の写真山下菜美子プロデュース namipro

『漂白剤』という一人芝居

新しいものを。

観たことの無いものを。

と言いつつも、『漂白剤』は90年代後半の作品で、既に過去二回上演されています。

その頃はエッジの効いた個性的な演目が山のようにありました。


当時の、あの頃の演劇の、匂い立つ空気感を、未だ経験したことの無い方たちに味わってほしい、全身で浴びてほしい、って思ってます、今。

当時の、私が受けた衝撃を、共有したい。


だから、実は、まったく新しいもの、と謳うにはちょっとニュアンスの違いがありまして。

今回の『漂白剤』は、正確には《再々演》てことになります。


今の時代の流行りとは真逆の、完全に逆行した演劇を作っています。

でも古い感じがしない。まったく。


私がつくる、って息巻いてますが、正しくは『私が蘇らせる』、です。


時代設定も、再演の上演当時にしよう、と決まりました。

つまり1998年、ということになります。

20年も経てば、世の中のいろいろな事が変わります。

でも、でも、人の心って、そんなに変わらないように思うのです。

根っこの部分ほど。

もしかしたら20年前よりももっと、人は、人との繋がりを求めてるのかもしれない。

そんな事を、稽古を見ながら考えています。

どんどん個人主義になっていく世の中。

今の時代にこそ、こんな芝居を観てほしい。


人の心なんて、単純じゃないし、そんな簡単に説明できるもんじゃない。

感じ方は人の数だけあるし、ましてや演劇の受け取り方なんて一つであるわけがない。


なぜ、一人芝居なのか。

なぜ、一人芝居でなくてはいけないのか。

『漂白剤』は紛れもなく、一人芝居でしか表現出来ない、一人の女性の人生の中の、たったの40分間のお話です。

あなたの40分と彼女の40分。

永遠のような、一瞬のような40分を、劇場で共有しませんか?


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