『漂白剤』という一人芝居
- 山下菜美子プロデュース namipro
- 2019年5月6日
- 読了時間: 2分
新しいものを。
観たことの無いものを。
と言いつつも、『漂白剤』は90年代後半の作品で、既に過去二回上演されています。
その頃はエッジの効いた個性的な演目が山のようにありました。
当時の、あの頃の演劇の、匂い立つ空気感を、未だ経験したことの無い方たちに味わってほしい、全身で浴びてほしい、って思ってます、今。
当時の、私が受けた衝撃を、共有したい。
だから、実は、まったく新しいもの、と謳うにはちょっとニュアンスの違いがありまして。
今回の『漂白剤』は、正確には《再々演》てことになります。
今の時代の流行りとは真逆の、完全に逆行した演劇を作っています。
でも古い感じがしない。まったく。
私がつくる、って息巻いてますが、正しくは『私が蘇らせる』、です。
時代設定も、再演の上演当時にしよう、と決まりました。
つまり1998年、ということになります。
20年も経てば、世の中のいろいろな事が変わります。
でも、でも、人の心って、そんなに変わらないように思うのです。
根っこの部分ほど。
もしかしたら20年前よりももっと、人は、人との繋がりを求めてるのかもしれない。
そんな事を、稽古を見ながら考えています。
どんどん個人主義になっていく世の中。
今の時代にこそ、こんな芝居を観てほしい。
人の心なんて、単純じゃないし、そんな簡単に説明できるもんじゃない。
感じ方は人の数だけあるし、ましてや演劇の受け取り方なんて一つであるわけがない。
なぜ、一人芝居なのか。
なぜ、一人芝居でなくてはいけないのか。
『漂白剤』は紛れもなく、一人芝居でしか表現出来ない、一人の女性の人生の中の、たったの40分間のお話です。
あなたの40分と彼女の40分。
永遠のような、一瞬のような40分を、劇場で共有しませんか?

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